原告本人調書

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原告代理人
甲第3号証を示す

この陳述書は,あなたが事実に基づいて作成して,あなたが最後のページに署名押印したものですね。
はい。
あなたが大成での学習会で最初に講演したというのは,いつごろのことですか。
最初は99年だったと思います。
そのころの大成の担当者は,どなたですか。
本社の人権担当の城戸雄三さんです。
城戸さんから,その講演の講師料,講演料というんですか,その振込先のことを聞かれたことがありますか。
聞かれました。
何と聞かれましたか。
徐さんの銀行口座を教えてくれと。私の個人の口座を教えてほしいという話でした。
それに対して,あなたは何と答えましたか。
私は,在日コリアン人権協会の口座のほうに振り込んでほしい,というふうに申し上げました。
個人の口座を聞かれたけれども,在日コリアン人権協会の口座に振り込んでほしい,というふうに回答したわけですね。
はい。
城戸さんからは,その理由を聞かれましたか。
ええ,聞かれました。えっ,というような顔をされて,それでいいんですかというようなことだったんで,いいんですと。私は,このお金は人権協会に全額カンパするという趣旨なんで,いったん私の口座に入って渡すのもややこしいんで,そちらのほうに入れてくださいというふうに言いました。そうすると,城戸さんも,そういうことだったら分かりましたということだったと思います。
人権協会にカンパするということですか。
そうです。
2003年2月に,また,講演がありましたね。
はい。
このときの講師料の支払先について,あなたは何と指定しましたか。
このときは,私の個人のほうに,ということでした。
人権協会じゃなくて。
そうです。
なぜ,変えたんですか。
2002年までは,私はKJ同友会から給料をもらってる,ある意味で,組織で飯を食ってるような状態だったんですが,2002年の後半からは,そういう状態ではなくなりましたんで,とりあえず私の口座に入れてもらうというか,私が受け取るというふうにしました。つまり,全額カンパするということには,ちょっとならないんで。
カンパするということは,もうやめたと。
はい。
あなた個人で受領するということにしたわけですか。
そうです。
2006年6月13日付け被告北口準備書面(5)の2ページによりますと,2001年4月16日に,大阪同和・人権問題企業連絡会の代表幹事であった関西電力が,在日コリアン人権協会と一体であった大阪国際理解教育研究センター(KMJ)が主催する就職セミナーに後援をしないということを,
就職差別だとして,関西電力本社前でビラ配布を行った,ということが書かれてるんですが,関西電力本社前で,こういうビラ配りを行ったという事実はありますか。
はい,あります。
更に,関西電力本社前で座込みを行ったということも記載されていますが,そういう事実はありますか。
はい。
更に,大阪城ホールで開催された,大阪企業人権推進協議会の設立20周年記念事業があったようなんですが,その際に,会場前でビラを配布したという記載があるんですが,そのような事実はありますか。
はい。
なぜ,そのようなビラ配りや座込みをしたんでしょうか。
当時,日本国内で,在日コリアンを初めとする在日外国人の学生のための就職セミナーは,唯一,ここだけだったんです。その運営に関しては,すべて,当事者の自前やカンパのみによってまかなわれていました。長年の取り組の中で,先ほど申し上げられた2つの団体も,ようやく後援団体に入ってもらうことになったんです。ところが,その前年に,人権協会とKMJの中で不透明な疑惑があるというようなうわさや,ビラや,様々なことがありまして,それで,当初は後援を辞退したいという話があったんですが,それに関しては,大阪府教育委員会の監査を経て,結局,そういった疑惑はなかったということが証明されたにもかかわらず,後援中止をやめなかった。幾つかの企業は,ブースを出して,外国人学生に門戸を開きたいという希望を持った企業もあったんですけど,やっぱり,大きな上の団体が後援中止となると,個別の企業では参加できないということがあったので,その再考を促すことと抗議を含めて,そんな行動を取ったということです。
KMJとか在日コリアン人権協会に疑惑があるというようなことがあって,後援を中止するというような動きがあったということですね。
はい。
KMJに対して,大阪府教育委員会が監査をしたということですか。
はい。
監査の結果は,具体的には,どういいうことだったんですか。
監査の結果は,事務上の幾つかの不備について注意,指導をされましたけれども,いわゆる疑惑と言われるようなお金の不透明な流れというものはありませんでした。

甲第5号証を示す

これは,大阪府教育委員会の作成した「社団法人の運営状況検査結果について」という書面ですが,今あなたがおっしゃられた教育委員会の検査を受けた結果,いわゆる不正というようなものはないということの通知ですね。
はい。
そのような疑惑がないのにもかかわらず,疑惑が晴れたにもかかわらず,なお,就職セミナーの後援をしないことに抗議するということで,ビラまきや座込みを行ったと,こういうことですね。
はい。
同じ準備書面(5)には,大手飲料メーカー,近畿日本ツーリスト,宗教法人天理教に対するコンサルタント料の話とかパンフレットに関する話が出てますので,そのことについてお聞きします。ここで書かれてある大手飲料メーカーというのは,どこですか。
キリンビール株式会社のことです。
キリン,近畿日本ツーリスト,宗教法人天理教の3者に,在日コリアンに対する差別事件があって,それに対して人権協会が糾弾闘争を行ったと,そういうことですね。
はい。
この3者に共通の点は,どういうことだったでしょうか。
いずれも,差別事件の隠ぺい工作を行って,その問題解明に非常に時間がかかったということ。したがって,差別をされたそれぞれの当事者が,非常に精神的な苦痛を受けたということ。そういう意味において,極めて悪質でありました。
それ以外に,その3者について,それまで,在日コリアン問題に対する取組についての共通性というのは,なかったでしょうか。
3者とも,同和問題については長年取り組んでいましたし,3者自身も,そのように自負を持っていましたけれども,在日コリアンの問題に関する勉強や研修や取組というのは,ほぼ,皆無に近い状態でした。
その点について,キリンの総務部長などは,何と言ってましたか。
キリンビールの件については,随分と時間がかかりました。最終の確認会のときに,もし,この事件が部落問題であったら同じような隠ぺい工作をしたか,という問いが会場から発せられて,それに対して,当時のキリンビール大阪支社の山本総務部長が次のように答えました。部落問題であったならば,即座に,本社を上げて本格的に対応しました,夢にも,このようなことになるはずがありませんでした,当社としては,人権問題とはイコール部落問題のことであり,在日コリアンの問題は,人権問題としてはカウントさえされていませんでした,ということを明確に言われました。
その3者と人権問題は,大枠,どのような合意をしましたか。
まず,在日コリアンの人権問題を研修するということ。それから,反省の上に立って在日コリアンを積極的に雇用していく,可能な限り本名で雇用していくというような2つの事項を中心に,確認しました。
研修と雇用ということですね。
はい。

乙第6号証の1を示す

確認書という書面ですが,在日コリアン人権協会と近畿日本ツーリスト,ツーリストサービスとの間の確認書ですね。
はい。
研修をするとか,雇用機会の拡大を図るというような内容の確認書になってるんですが,キリンビールや天理教とも,このような確認書を交わしてるという理解でよろしいでしょうか。
はい。

乙第6号証の2及びを示す

乙6号証の2とかで,具体的にどうするのかということの細目を確認した,という書面になっていますね。
はい。
このような書面は,なぜ,交わしたんですか。
大きく,2つあります。一つは,それ以前も幾つかの差別問題について取り組んで反省をされたけれども,結局,口約束で終わってしまうと,あとで,言った,言わないとか,状況が変わったとか,のらりくらりと逃げる企業が非常に多かったんです。そこで,その場できちっと確認しようということが一つ。2点目は,今後,我々が確認糾弾闘争をして,きちっと研修等をやらせるつもりではあるけれども,ややもすると,運動とは全く無縁の人たちが,当該の企業に対して,個別に様々な理不尽な要求をすることもあり得るので,窓口をきちっと決めて,これ以上でも,これ以下でもないということをきちっと明文化することによって,企業が,そのような不当な要求等に対応できるようにしよう,というのが目的です。
今の2点目の意味合いについて,そういうふうな意味で書面を残したほうがいいというふうに指導したのは,どなたというか,どこですか。
指導されたことはありませんけれども,部落解放同盟大阪府連合会の関係の方とは,随分親しい関係等でありまして,私どもがこのような運動をやってることを知ってましたんで,忠告というか,意見ということか分かりませんけども,きちっと確認書を交わして,双方が持っといたほうがいいよということを言われました。その方が言うには,解放同盟の場合は,そのようなかたちできちっと確認書を交わしてないから,仮に本部が確認糾弾をやって,それで決めてても,いろんな支部とかいろんな個人が,様々なかたちでえせ的なことをするそれをとめられない。だから,君たちはこれからの運動なんだから,最初からきちっとやったほうがいいぞ,というようなサジェスチョンというか示唆を頂きまして,なるほどなと思って,私どもそれを実行したということです。
近畿日本ツーリストのことについてお聞きしますが,被告北口さんの準備書面によると,1冊700円のテキストを近畿日本ツーリストに1万冊売ってると。そのパンフレットというのは,何というパンフレットですか。
「よりよき隣人として」という冊子です。
なぜ,近畿日本ツーリストとツーリストサービスが併せて1万冊を買う,ということになったんですか。
近畿日本ツーリストとツーリストサービスはグループなんですが,この会社が闘いのうちに反省して,全職員に研修させると。ところが,当時の人事部長が,私どもに,教材がないと。本屋の分厚い専門書を配るわけにいかんと。当時,在日コリアン問題に関する平易な解説書というか啓発パンフレットというのは,皆無でございました。私どもが自力で作ったものがありましたので,それを使わせてほしいということなので,研修の際のテキストということなので,研修する全職員が大体1万人ということなので,その分を近畿日本ツーリストが購入したということです。
全社員対象の研修テキストとして1万冊が必要だった,ということですね。
はい。
同じく近畿日本ツーリストとツーリストサービスについて,被告北口の準備書面によりますと,季刊「Sai」を350冊,月刊新聞「在日コリアン人権協会ニュース」を349冊を買うということになってますが,どういうことから,そうなったんでしょうか。
本店,各支店に1部ずつと。本店の場合は中が大きいので,各部局ごとに1部ずつと。そこで回覧して,研修の資料にするということで,そのような数になりました。
同じく近畿日本ツーリストですが,KMJの法人会員,1口4万円ですが,これを10口。資料によりますと,当初から2口あって,それに8口を足して10口にしたようなんですが,法人会員として10口分の会費を払うということになったようですが,どういうことで,そうなったんでしょうか。
私のほうから,当該企業に要請しました。先ほどから出ているパンフレットであったりとか,我々が作ったビデオもそうですけれども,すべて,行政の補助金は全くございません。在日コリアンの人権に関しては,国に全くの法律,予算がありません。自治体にもございません。同和問題の場合は,それなりにかなり大きな補助金が出て,その上で教材等が作成されることができるんですが,我々はそれができないもんで,全くの自力でやらなければならないんです。そのほとんどが,我々のカンパとか手弁当でやってると。差別を起こした企業等に研修させるために,我々自身が赤字を出してまでやるのはおかしいんじゃないのか,と。本来,こういうものは国がやるべきであり,企業も,また協力すべきではないのか,と。その分を企業も貢献すべきではないですかという要請をしまして,それについては快く承諾していただきました。
それを,KMJの会費というかたちにしたわけですね。
はい。
それは,寄付金というかたちでもよかったわけですな。
そうですね。どちらでも結構でした。
天理教のことについてお聞きしますが,同じく準備書面(5)によると,天理教については,1冊700円のテキストを3万冊となってますが,なぜ,3万冊ということになったんでしょうか。
天理教会というのは非常に大きな教団でございまして,本部があって,大教会,分教会,布教所,その他もろもろ,非常にたくさんあります。一方で,病院,学校,その他様々な傘下の機関,団体がございます。大きなところではそれぞれの部局ごとに,それぞれの分教会は分教会ごとにということで,大体,各施設ごとに1冊というようなかたちだったと思います。天理教としても,在日問題は初めての取組だということで,これも研修で使う,研修テキストにということで,大学も含めて,両方を合わせた数だったというふうに記憶してます。
そこも,KMJの法人会員50口となってますが,それは,先ほどの近畿日本ツーリストと同じ理由ですか。
同じです。
キリンのコンサルタント料,月50万円,3年で1800万円という記載が準備書面(5)に出てくるんですが,これは,コンサルタント料という名称で,なのでしょうか。
いえ,研修指導料ということです。
研修指導料というかたちで金額が決まるわけですが,キリンから,どういう相談を受けたんでしょうか。
キリンビールの場合も,非常に時間のかかった大変な事件だったんですが,最後の確認会の前日に話合いをしたときに,向こうのほうから,在日コリアン約30名の採用実績名簿を出してきたんですが,よくよく見ると,韓国の企業の研修生だったんです,それを在日コリアンの実績一覧表だと出してきたんで,非情にもめまして。向こうは,それを知らずに出してきたんですが,余りにも在日問題を知らなさすぎると。といっても,在日問題を学ぶ場もないし,ノウハウを持った職員もいなければ教材もない,どうすればいいんだ,とにかく指導してくれ,教えてくれということだったんで,それではということで,KMJのほうに委託すればどうかということで,それで,そのような研修指導というようになりました。
具体的には,その研修について,キリンとは,どういう合意をしたんでしょうか。
どのような研修をするのかということがまずありきで,金額はあとになるわけですが,全職員対象,全事業所で研修を行う,講師も分からないということで我々が出すと。大体,100回弱だったと思います。全国の事業所や支社に講師を派遣する,講師の選定,連絡,レジュメの用意,交通等の関係,宿泊等の関係,その他もろもろ。当然,トラブルもございますし。行くといって行かなかったりとか,急きょ,代わりの講師を出したりとか,そういったようなすべての作業。それから,研修の計画そのものをち密に行っていくためにも何度も打合せをしましたし,そういったキリン全体の在日コリアンの研修を一からやると。それから,採用も,そうです。採用はゼロでしたので,本名で採用するためには,どのようなことが必要なのかということ。我々も何人か手分けして,一緒に歩いたり,各大学を回ったり,いろんなことをしました。そういったこと一切合切を3か年でやるということで,それにかかる費用は幾らかということで,家賃,光熱費,資料代,交通費。当然,人件費が一番大きいと思います。その他もろもろのことを大体勘案して,ほぼ計算して,月50万ということにしました。
キリンと人権教会双方の議論の結果,50万になったということですか。
そうです。
50万という金額について,キリンは高いと言ってましたか。
いえ,安いと言ってました。
なぜ,安いと言ってましたか。
彼ら自身がお願いしたいと言ったときに,金額の出る前に言ったことなんですが,自分たちでやれば,何も知らない職員を少なくとも1人か2人は専任に置かなければならない。2人置けば,それだけでも,年間,人件費だけでも最低2000万はかかると。それに,様々なものの経費を足していくと,とてもじゃないと。月50万円でやっていけるなら非常に助かるし,安いということでした。

被告北口代理人(在間) 被告北口準備書面(5)を示す

この準備書面は御覧になったですね。
はい。
2004年2月17日における北口の発言の内容についてのことですが,先ほど言われてたのは,大阪企業人権推進協議会の関係,関電本社前のこととか,大阪城ホールのこととか,キリンビール,近畿日本ツーリスト,天理教の関係について,事実としてはこのとおりだけれどもという,そういう趣旨ですね。
はい。

乙第1号証を示す

これは,キリンビールのことなんですね。
はい。
この文書は,キリンビールが作成したんですね。あなたのほうで作った書面ではないんですね。
そうです。私は作ってません。
書かれてる内容は,このとおりですか。
すべては覚えてませんけど,きちっとは見てませんが,大体,こんなもんだったかなという感じです。
KMJの会員の会費を,増額をしたということですよね。
口数ですね。
これの趣旨は,先ほどいろいろ説明された,そのとおりですか。
はい。
これの10項で,3年間集中研修,教科書1冊700円,全社員9000冊,630万。これでキリンビールが買い取るということですか。
そうですね。
講師料は,1回10万ですか。
はい。
これは,講師の講演というものに対する評価という意味ですか。
そうです。
講演するから,それに対する対価を払ってくれと,そういう意味ですか。
そうですね。
研修ビデオ,1本3万,これを40本買えと。買うと,こういうことですか。
買えとは言ってませんが,購入したいということで。
キリンビールが買うということですか。
はい。
それが120万ですね。
はい。
例えば講師が遠方に行かれる場合,交通費は別に出るんでしょうね。
そうだったと思いますけど,詳しくは覚えてないです。
11項で,「 (コンサルタント料) 」と書いてあるんですが,これは,キリンビールがこういう表現をしたということなんでしょうか。
研修指導料ですね。コンサルタントとも言えるのかもしれませんけど,私どもは研修指導料と言ってます。
「集中研修期間研修指導料」と書いてありますが,この表現は正しいですか。
はい。
それが,月50万,年間600万,3年間で1800万ですよね。
はい。
これが,一体,どういう趣旨の金かということの説明を今聞いたんですが,人件費が一番多いんですか。
人件費が一番多いと思いますよ。
人件費というのは人にかかるという費用でしょう。 具体的に,どういう費用ですか。
職員に払う給料です。
キリンビールに対する研修のために,人を余計に雇ったんですか。
そのために余計に雇ったこともありますね。バイトを追加したこともありますね。
それはキリンビールが負担すべきであると,こういうことなんですか。
キリンビールのために我々が仕事をするわけですから,当然,その対価はキリンビールが支払うべきであると思います。
事務所の賃貸料というのは,そういう意味ですか。
賃貸料も含みます。
賃貸料としたら,幾らなんですか。
その細かいのは,ちょっと覚えてませんけども。
それも,キリンビール用の何らかのスペースを借りるということで,賃貸料を還付されたのですか。
当時,事務所は家賃が80万でしたから,その80万の家賃は様々な活動のブースとして使うんですけれども,それぞれのセクション,セクションの内容によって負担していくということになるわけで,そこに,新しくキリンビールの研修指導というのが入ってくるわけで,その仕事についてはこのぐらいの量であろうということで,その分のうちの何分の一かは持ってもらおうというような話で清算しました。
キリンビール用に新たに何らかのスペースを確保した,というわけではないんですね。
その人のための机も要りますし,本棚とか資料を置くところも要りますし,関係者はしょっちゅう出入りしますんで,どうしても,そのことの仕事が入ったためにそのスペースが使えない,あるいは,時間的にもふさがる部分が,どうしても出てきます。
賃貸自体には,変化はなかったわけですか。キリンビールの関係でスペースを使うことになる,じゅう器備品を使うことになる。そういうことにかかる費用は,当然キリンビールが負担すべきだと,こういうことですか。
そうです。
賃貸自体に変化はなかったわけですね。
当時は,何団体かで出し合ったんですよ。 幾つかの団体で出し合いながらやってましたんで,その時々に見直しをしましたから。例えば,自分とこの団体のほうが,この年は活動がたくさん広がるから,自分とこがようけ持ってくれやとか,そんなことはしょっちゅうやってましたから。だから,実質的には負担が増えたということですね。
この当時,キリンビールと同じように,研修指導料というかたちで,同じような趣旨のお金を受け取っていた企業は,ほかにもありますか。
研修指導料ということでは,キリンビールだけだったと思いますね。
あなたのお話の趣旨によれば,差別を起こした企業があり,そのために研修をやることがある。そのために,人件費はかかるわ,スペースを使わないといかんわということになったら,そこが負担するのが当然だと,こういう理屈なんでしょう。
はい。
そうすると,あなたのお話の筋からいえば,例えば,近畿日本ツーリストであるとか天理教とか,そういう企業から全部もらうということになるんですね。
私は,本来,そうあるべきだと思ってます。ただし,それは前提が違います。国や自治体が,在日コリアンにも同和問題と同様な予算措置をしてるならば別です。
あなたからすると,差別を起こした企業というのは,そういうお金を負担すべきであると。日本で差別を起こしてる企業というのはたくさんあると思うんですが,全部負担させたらばく大なお金になりますよね。
全部負担すれば,そうなるでしょうね。
先ほど述べられたキリンビールとか近畿日本ツーリストの,そういう事実関係を,北口君が柏木さんに話をしたということが名誉毀損だということで,この訴訟で裁判されてるんですが,それは,あなたは分かってますね。
そうですね。
何が名誉毀損なんですか。
やっぱり,えせ呼ばわりしたことが中心じゃないでしょうか。
事実は事実だけれども,それに対する評価が間違ってると,こういうことですか。えせという表現を使ったのは間違ってると。
事実に関しても,間違ってるところがあると思います。
それで確認したんですが。先ほど,準備書面に書いてる内容は,事実は事実ですねと確認したんですけどね。
確認したのはキリンビールの分だけでしょう。

被告大成建設代理人(片岡)

先ほど,大成建設で原告さんが初めて講演なさったのは1999年との御証言ですね。
はい。

原告準備書面2を示す

初めて講演なさることになったきっかけですが,この準備書面の2ページの第3項に書いてあるような事実関係がきっかけで,1999年に初めて講演なさったとお聞きしてよろしいですか。
そうです。
この第3項のようなきっかけだとすると,大成建設は,ここに書いておられる尼崎事件を契機として,会社の取組として,人権教会さんとの間で,こういった取組をすることになったし,そういうことがきっかけになって,あなたが初めて講演なさったと,こういうことになるでしょう。
きっかけは,そうですね。
人権教会と大成建設は,こういう大成建設の取組の中で講演も頂くというようなことも含んでやるわけだけれども,それとは別に,大成建設が徐さん個人に講師を頼まなくちゃいかんということが,1999年のきっかけのときに,あったんですか。
研修等については人権協会が支援していく,というようなことで確認はしました。それは文書に書いてるとおりです。より具体的には,私が年1回行くというのは口頭だったような気が,文書に書いてましたかな,よく覚えてませんけども。とにかく,そういうかたちで,本社には年1回行って,役員研修に徐さんが来てほしいというようなことでした。私に来てほしいということでした。
大成建設が人権協会という団体との間で,この準備書面第3項に書いておられるような経緯で取組が始まったのであれば,講演が行われる舞台は大成建設と人権協会との間で決まり,その中で,講演にどなたにおいでいただくかということで,初めに徐さんが講師になられたといういきさつと聞くのが自然の流れだと思うんですが,そうじゃなくて,人権協会というのは,あなた個人が出ることを実行するための事務手続き上の流れの中で人権協会が出るだけあって, 飽くまで, あなた個人が1999年から大成建設と講師契約をするというような,何か打合せとか力関係があったのか,という質問をしてるんです。
それにつきましては,どのような研修を行うかについては,年1回,交流会もやってましたから,前年度の研修の実態とか,そういったようなことも聞く場は度々ありました。ただし,我々が当初に確認したときは,だれが講師に行くなんてことは全く頭にないわけで,いい講師がいないかと聞かれれば,どこかの大学の先生もいいだろうし,この人もいいだろうというようなことの腹づもりは持ってました。これは,ほかの共闘も,皆,そうです。ほかの共闘の関係でも,すべて,そうです。ところが,今回,大成に限ってのみ,城戸さんが,後日,徐さんに来てほしいというふうに指名してきたんです。なんで僕ばっかり行かんといかんねんと言うたら,事件が風化する,2年,3年したら担当がころころ変わって,しまいに,なんで,こんな人権研修をやらんとあかんねん,ということになってくると。それと,原点である事件のことにはきちっと指導したものが触れて,徐さんが会長を辞めたとしても,徐さんしか分からんのやから,風化させないということのために,徐さんに是非来てほしいという話があったんです。
同じ準備書面2の第3項ですが,3ページの上から3行目のところに,「地元である関西支店については,KJ同友会との交流・学習会という形で行ってきた」と,あなたのほうは主張してます。「形で行ってきた」というのは,どういう意味ですか。
特段にありません。事実上も,皆,KJ同友会との交流・学習会でした。ただし,全体としては,人権協会が指導する大きな枠がありました。
大成建設と人権協会という両当事者の間で,この準備書面の第3項に書かれてるようなことが始まって,したんだけれども,関西では,当事者は人権協会なんだけれども,その活動するかたちとして,KJ同友会との交流・学習会のかたちでという意識があなたにあるから,こういう主張を,あなたの代理人がなさったんじゃないですか。
いえ,違います。
じゃ,なぜ,「形で」ということを書かれたんですか。
私の理解では,かたちというのは,全体としてのKJ同友会が大成建設と交流会をするにしても,それ自体は,全体の流れとしては,人権協会が大成の本社と話し合って,こういうこともいいんじゃないかというような合意があっての話ということで,そういう意味では,大きな意味では人権協会運動の流れの一つということなので,かたちというような言葉を使ったというふうに思います。
原告さんの書面の中で「交流・学習会」というのと,単に「学習会」というのと,2とおり出てくるんですが,関西支店で春に行われるものが「交流・学習会」で,秋にやろうかというようなことでお互いが頭にえがいていたのは単なる「学習会」と,こういう使い分けをされてるんですね。
そうです。
意識的に,使い分けされてるんですね。「交流・学習会」の交流というのは,何も講師を呼ぶんじゃなくて,一緒に食事をしたり,歓談するというようなこともあるわけですか。
それもあります。

甲第1号証

甲1では,過去における講師料の金額とか支払先が,全部載っておりますわね。これは,書かれてるとおり,事実ですか。
だと思いますね。
一番下が2003年2月19日ですが,これは個人口座への振り込みじゃなくて,現金渡しなんですね。
はい。
先ほどの尋問では個人口座への振り込みと聞かれていましたが,そうじゃなくて,現金渡しですね。
だと思いますよ,こう書いてるんだから。

裁判官(高見)

あなたと在日コリアン人権協会との関係なんですが,あなたは,当時,人権協会の副会長ということでよろしかったですか。
当時というのは,いつのことを指してますか。
1995年に人権協会を設立してますよね。
はい。
その設立当時は。
会長です。
1999年7月3日に講演してますが,そのときのあなたの役職は何だったんですか。
会長です。
ずっと会長だったということで,よろしいですか。
いや,ずっとということはありません。途中で,たしか2001年か2年からは副会長になりました。
副会長になったのは,いつですか。
2001年の1月か2月だったと思います。
それから会長に戻ったことはありますか。
いや,そこから戻ってません。副会長のままです。
今現在は。
副会長です。
人権協会の規模についてお聞きしますが,具体的には,どれくらいの協会員がおられるんでしょうか。
協会員の会員数は,現在は50人ぐらいです。
今回,あなたが主張している大成建設との間の学習会に関する契約ですが,その当時の人権協会の会員数は,どれくらいでしたか。
二千・・・。
あなたの主張では,平成14年11月14日に大成建設と契約したということですが,その当時は。
同じぐらいだったと思いますけどね。
あなたと人権協会というのは別の法人格であると,そういうふうに理解してよろしいですね。
もちろん,そうです。

甲第1号証を示す

そこに書いてる研修会なんですが,大成建設の本社で実施した研修会が3つ,支店で実施した研修会が2つあるんですが,この5つの研修会の契約主体は,それぞれ,説明できますか。研修会自体の,契約主体は,だれですか。
意味が分かりませんが,上記3つを主催したのは大成建設です。
そのときに講師を派遣して,その分の講師料を支払うと,そういう契約をしたのは,だれとだれの間ですか。
講師を派遣するというような明確な契約は,なかったと思いますよ。人権協会が講師を必ず派遣するというような契約は,なかったように思いますね。
1999年7月3日に,あなたは講演してますよね。
はい。
そのときに,講師料をもらってますよね。
もらってます。
それは,どういう約束で,もらったんですか。
講師料で。
そのときに講演をすると,そういう契約はなかったということですか。
契約という単語とか,契約書はありません。通常,こういう場合は,ないですね。
今回,あなたは,大成建設に対して10万円を請求してますよね。
はい。
その請求の根拠として,講演会をするという契約をしたんだと,そういう主張をしてますよね。
はい。
それと,先ほどあなたがおっしゃられた,研修会に当たって個別の契約をしていなかったんだというのは,どういう関係になるんですか。
先ほど私が申し上げたのは,人権協会と大成建設との間で確認書が交わされまして,これから在日コリアンの人権を勉強しますと約束したわけです。約束の文書も作ってくださった。で,どのような研修をするかについては,人権協会も指導もしながら,支援もしながら,協力,援助もするということでしたけども,イコール,人権協会から毎回講師を派遣するとかというようなことは決めてませんし。それは,よそとも決めてません。時には大学の先生を推薦して行ってもらうこともあれば,逆に,大成建設のほうが,いい講師が見つかった,徐さん,この人,どうや,いいんと違うのと言ったら,それでいいんと違うの,それでいいやん,というようなこともありますし。一般的に,そうです。前者のことは,そういうことです。後者のことは,私に講師をしてほしいとおっしゃるので,じゃ,私が行きましょうか,行きますね,と。ついては,こういう内容でお願いしますと言われたので,じゃ,準備しますね,ということです。
今最後におっしゃられた合意をしたのは,いつですか。
準備書面を見れば分かるんですけど,学習会の内容が決まったときがありますよ。それは,当時の大成建設の関西支店の総務室長のほうから,こういう勉強会をうちはやりたいと。ついては,この中身についてやるんなら,徐さん,あんたしかおらんから,あんたが来てくれという話があった日付は,あるはずです。
今回,原告は平成14年11月14日に契約があったと主張しているんですが,あなたがおっしゃってる合意というのは,その平成14年11月14日のことですか。
準備書面に出てるんですが。

原告準備書面2を示す

それの,3ページの第4の2項のところですか。
契約というのは,学習会を今後きちっとしたかたちで継続していくということの契約ですね。
被告大成建設の担当者の方に,あなたに講演をしてもらいたいんだと,そういうふうに依頼されたのは,いつですか。
私個人に,となってくると,どうなんかな。この準備書面の5ページの6項にあるように,私がやるというふうに決まったのは,10月1日だったように思うんですけどね。
あなたがやるというふうに決まったというのは,あなたと大成建設との間で,あなたが講師として,報酬を10万円で,学習会において講演を行うという契約をしたのが10月1日であると,そういう趣旨と受け取ってよろしいですか。
提案をして合意したわけですから,そうだと思いますけどね。いちいち契約書を交わしたことはないんで,急に契約と言われてもピンとこないんですけど。原告が講演するというふうに話合いがついて,それで合意したわけですから,そうだと思います。

被告大成建設代理人(片岡)

2003年10月1日の日は,原告さんだけではなくて,柏木先生と二本立てということで話が出たとか,あなたの準備書面2でいくと,その日は最終的な打合せみたいなことを書いてますね。それは,最終的な打合せ的なことをなさったのであって,確定的に契約が成立したということではないんじゃないですか。10月1日に契約が成立したとおっしゃるのか,最終的な打合せをやったと。そこまで打合せがいっていたのに,最後までいかなかったという事件なのか。契約が成立したと,あなたははっきり主張なさるんですか。
最終的という単語を使ったのは,それ以前にも何度かお会いしてるからです。学習会を,基本的にこういうかたちでいこうというのは,藤田総務室長の前の徳光さんが議事録を書いて,私にも下さっています。そこから,幾つかいろいろと議論をして,大成建設の在日人権学習というのは,今,何が必要なのか,と。だれを講師じゃなくて,何が必要なのか,何が足りないのかということを,かなり議論をしてきて,そして,10月1日のときに,こういう流れで,それでは,こういうかたちでやったらどうなのか,と。つまり,二本立てで,私がやり,もう一人は柏木さんにやってもらうというかたちだったら,大成建設の人権担当が望むような中身に合致するじゃないですかというような話になって,じゃ,それで是非お願いしますと。つきましては,柏木先生については,わたしらはよく知らんので,徐さんのほうから連絡を取ってお願いしてください,というようなことだったんです。だから,契約書は交わしてませんけど,それで合意ということで。だから,のちに柏木先生が駄目になったときには,謝らないとあかんということで,謝りに行ったわけです。

裁判長

あなたの供述としては,あなたの契約の成立日は2003年10月1日だということでよろしいか。
あんまり,そういう意識は・・・。
契約書がないのは分かってますから,口約束になると思うけれども,その約束で,報酬は10万円を払うから,講演しますというふうに合意ができたのはいつですか,という質問に対する答えは,いつになるんですか。
10月1日だと思います。
2003年の,ですね。
はい。
以 上
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