準備書面1(控)

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2007年8月31日
 2007年8月20日付被控訴人北口準備書面について下記の通り反論する。
1 被控訴人北口は、「単に『エセ人権』的行為と評されるだけで、何故『社会的生命を失う』ことになるのか、理解不可能というほかない」と主張する(同2頁)。
 乙8号証に見られるように,「エセ同和」は、大阪府をはじめとする行政、企業等各界を網羅する連絡会が結成される等、社会的に厳しく批判される対象となっている。およそ社会を構成する基本的団体が一丸となって「根絶」する対象が「社会的生命を失う」のは当然であり、またそのようにすることが連絡会の目的でもある。従って「エセ人権」と批判されることが「社会的生命を失う」ことになるとの結論に議論の余地はない。
 また、被控訴人北口が書記長という要職を務める部落解放同盟は、飛鳥会事件、安中事件の首謀者を事件発覚後に「エセ同和行為」と認定し、除名処分に処している。除名処分は、運動体からの排除であり、再びその運動体で活動することは、ほぼ不可能である。したがって、控訴人が控訴理由書4項で述べた「被控訴人北口のかかる発言は、活動家である控訴人にとって『社会的な死』を意味する」のは当然である。
 さらに、仮に控訴人が、活動家でなかったとしても、「エセ同和」と断定された飛鳥会事件、安中事件の首謀者がマスコミで連日報道されたことによって、社会的制裁を受けた事実から、「社会的な死」に値する結果となるのは必然である。
 問題なのは、部落解放同盟大阪府連合会書記長というきわめて影響力が強い地位にあり、しかも近畿大学教授という要職にある被控訴人北口が、控訴人に対する中傷文書(甲4)やビラ(乙3)を軽々に信用し、控訴人を「エセ同和」「エセ人権」呼ばわりしたことである。しかも、部落解放同盟大阪府連の場合、「エセ」かどうかを判断する場合には、きわめて重要な問題であるので、徹底した事実調査をするが、本件で問題となっているKMJの場合には、被控訴人北口は当の控訴人に対する調査は一切せずに、「エセ」であると判断している(北口本人調書20頁から22頁)。このように一方的な情報のみに依拠して「エセ」であるとの判断をしており、到底「公正な論評」であるとは言えないのであって、被控訴人北口の発言は、控訴人の名誉を毀損もしくは侮辱する行為である。
 
2 控訴人北口は「エセ人権という事場はすでに一般的に使用されていた」(2頁)とも主張するが、この点についても反論する。
①頻繁に使用されてきたというが、証拠として提出された解放新聞第1280号は被控訴人北口が書記長を務める部落解放同盟大阪府連合会の機関紙である。また同紙には「エセ人権」「エセ人権行為」という用語はない。「エセ人権グループ」と言う用語があるのみである。これこそ「被控訴人北口の造語」の証明に他ならない。
 また、同紙掲載の「エセ人権グループ」とは、主として同和問題(部落差別)を巡る事象であり、在日コリアンの問題を題材にしたものではない。従って、本裁判で争点となっている「エセ人権行為」という「行為」をさしているのではなく、あくまでも従来からある「エセ同和行為」を同和以外の名前で行っている事件である、要するに、同紙に掲載されているのは、まさに「えせ同和行為」そのものであり、「エセ人権行為」とは全く関係がない。
②さらに大阪府人権協会ニュース(乙8号証)には、「えせ同和行為等大阪連絡会議」の結成に寄せて、各界からのやメッセージ、設立趣意書、運動方針が掲載されているが、どこにも「エセ人権」または「エセ人権行為」なる用語は存在しない。
 唯一あるのは、資料として被控訴人北口の著書「必携エセ同和行為にどう対応するか」の抜粋部分があるのみである。
③「以前から、『エセ人権』という事はすでに一般的に使用されていた。」と主張するが、被控訴人北口の著書、被控訴人北口が所管する部落解放同盟大阪府連合会の機関紙以外に「使用されていた」証拠はない。
④「以前から『人権』を標榜する団体から被害を受けた企業や企業団体では『エセ人権』という言葉はすでに一般的に使用されていた。」と主張しているが、そうであるならば、被控訴人北口の提出した、乙8号証(大阪府人権協会ニュース)の企業団体代表(大阪商工会議所会頭、連絡会準備会代表 野村明雄)の挨拶に「エセ同和」という用語は頻繁に登場するにも係わらず、「エセ人権」なる用語が一切登場しないのはなぜか。また団体の名称だけではなく、在日コリアン問題等同和問題以外を騙る被害が登場しないのはなぜか。
 
3 ところで、被控訴人北口が主張する「エセ人権行為」とは「エセ同和行為」と同意語である。
 いみじくも、被控訴人北口が準備書面において「『エセ同和団体』が社会的避難(ママ 非難の意か)を受け、『部落解放』や『同和』とう表現の使用が都合が悪くなれば、『エセ団体』は、団体名からそれらの用語を削除して、代わりに『人権』やそれらに類する言葉を冠することも多く見られるとようになった。」(2頁)と主張しているとおり、被控訴人北口においては、「エセ人権」とは、あくまでも「エセ同和団体」が、名前を変えただけに過ぎず、その実体は「エセ同和」なのである。
 被控訴人北口は控訴人を「エセ人権行為」と中傷したが、そうであるならば控訴人の実体が「エセ同和団体」であるとの証拠を提出すべきである。
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